【保存版】男40代からの効く筋トレ

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最近、運動しても体重がなかなか減らなくなった。

  • このポッコリ出たお腹を何とかしたい。
  • 若い頃はスリムで結構モテたんだけどな~。
  • このまま老け込んでいくのは嫌だ。
  • 腹筋がパックリ割れたシックスパックを手に入れたい。

そう感じたことはありませんか?

なりたい体型、ありたい自分になりたい。
そのためには、正しいやり方さえ知って、ポイントを押さえれば、あとは実行するだけです。

具体的にどうすれば効果的に理想のボディを手に入れられるのか?

こういう時は、やはりきっちりと結果を出している人に聞くのが早いです。
自分自身の身体を使って色々と試行錯誤し、研究し、実践してきっちりと結果を出している人がいいですね。

今回、お話を伺ったのは、ボディスタイリストの葉英禄氏です。

葉さんは、カッコイイ身体を競うベストボディジャパンの大会にて優勝経験(マスターズクラス)があり、いまなお現役で、毎年、3位以内に入賞されています(2017年末時点)。

葉さんご自身、45歳のときお腹がポッコリの状態から4か月程度でマッチョな体を手に入れました。

ただ、残念ながら、通常ではなかなか4か月程度では、ここまでのマッチョな体には至りません。
実は、葉さんは20代の頃、ボディビルを本格的に取り組まれていて、その際にボディメイクのノウハウを身につけられました。

そこから得た経験の中に秘密があります。
そこで、その秘密を聞き出そうとお話を伺い、この記事にまとめました。

まずは、40代の方に向けた「効果的な筋トレ」についてご紹介したいと思います。

ぜひご参考にしていただければと思います。

【参考書籍】

目次

あなたにとっての筋トレの目的・意義とは?

あなたにとって筋トレをする目的、意義とは何でしょうか?

・男として純粋にカッコいい体型になりたい。妻から見直されたい。
・最近、疲れやすい。疲れにくいタフな体を作りたい。
・家族を守るためにどんな困難でも乗り越えられる体力を身につけたい。
・ビジネスで「できる男」として引き締まった体型になりたい。

人によってその目的は様々でしょう。
今一度、あなた自身が筋トレをして体を鍛える目的、意義を考えてみましょう。

長続きする秘訣の1つとして、目的意識をもって取り組むことが大切だと考えます。

誰のためにやるのか、なんのためにやるのか?

諦めそうになった際、そもそもの筋トレを始めた動機や目的を思い出すことで、もう一度、チャレンジしようという思いが出てきます。

例え、三日坊主になっても、また再開すればOKです。
三日坊主も100回繰り返せば、300日になります。

完全に止めてしまわないことが大切です。

とは言え、考えすぎてしまって行動に移せない・・・

せっかくやる気がわいてきている今。
まずは、筋トレを実践しながら、考えるのもいいでしょう。

また、理論だけを学んでも身体に変化は現れないので、実際にやってみないことには始まりません。
筋トレを実践しながら、随時、この記事も参照していただければと思います。

当Webサイトでは、定期的に追加・更新して、あなたのお役に立てるように改善を図っていきます。

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体を鍛える前に知っておきたい運動の基礎

ヒトが(筋肉を使って)身体を動かすにはエネルギーを必要とします。
エネルギーを供給するシステムは、以下の2つがあります。

・無酸素性のエネルギー供給システム
・有酸素生のエネルギー供給システム

それぞれのエネルギー供給システムによってなされる運動が

・無酸素性運動(無酸素性トレーニング)
・有酸素性運動(有酸素性トレーニング)

です。

また、その両方を同時に活用するトレーニングとして、
” インターバル トレーニング/インターミッテント トレーニング “
があります。

インターバル トレーニングは、高い強度の運動の間に軽い運動をおこなうものです。
  例)全速力でのラン+ゆっくりジョギングを1セットとして、それを繰り返す運動です。

一方、インターミッテント トレーニングは、高い強度の運動の間に完全休息をとるものです。
  例)全速力でのラン+休息を1セットとして、それを繰り返す運動です。

ただし、実際には、無酸素性、有酸素性のどちらか一方のみの供給システムで運動が成り立っている訳ではなく、どちらも関わっており、運動強度等の条件によって、その活用される割合が変わるということです。

便宜上、どの供給システムがメインとなるのかによって、分類されています。

 

さて、身体を動かす為のエネルギー生成について、もう少し紹介します。

私達の体内では、ATP(アデノシン3リン酸)という物質の以下の反応によってエネルギーを作り出します。
 ATP → ADP(アデノシン2リン酸)+リン酸+エネルギー

しかし、筋肉中には、ATPが微量しかないため、運動を続けるには、ATPを再合成しないといけません。
なんらかのシステムによって再度、作り出す必要があります。

そのATPを作り出すシステムが先ほどの2つです。

・無酸素性システム
・有酸素性システム

◆ 無酸素運動(無酸素性システム)

少し難しい話になりますが、無酸素運動には、さらに以下の2つがあります。

  • 乳酸系
    酸素を使わずに、糖(グリコーゲン)を乳酸に分解することでエネルギーを作り出します。
     グリコーゲン → 乳酸+ATP

 陸上競技でいうと400m走程度の運動でのエネルギー源となります。
 数分~10分程度でやり終えるような運動において、中心的な役割を果たします。

  • 非乳酸系
    クレアチンリン酸の分解によって、ADPからATPを生成し、そのATPをエネルギー源とする運動。
    こちらも酸素は使用しません。
     クレアチンリン酸+ADP → クレアチン+ATP

30秒~数分程度のごく短時間しか使用できません。
陸上競技での100m走程度の運動で使われます。

高重量を扱う筋トレの場合、最初の短時間では非乳酸系による運動になりますが、すぐに乳酸系での運動に移行します。
その後、時間経過とともに有酸素性システムが働き、酸素と糖質も活用されるようになります。

無酸素でおこなえる時間は限られていることから、それを越えての運動が有酸素性運動となります。
そのため、一口に筋トレと言っても完全な無酸素性運動というわけではありません。

なお、「無酸素性運動」の意味として、呼吸をしない(酸素を摂取しない)でおこなう運動ということではありません。

酸素をエネルギー源として活用するには、ある程度時間を要するため、身体は酸素を必要としないエネルギー生成方法を持っている(無酸素性)ということです。

◆ 有酸素性運動(有酸素性システム)

ウォーキングやジョギングなど酸素をエネルギー源とした運動になります。
糖質(グルコースなど)や脂肪からATPを生成してエネルギーを作り出します。

 酸素+糖質/脂質 → 二酸化炭素+水+ATP

 糖質:筋肉内のグリコーゲンや血液中のブドウ糖など
 脂質:筋肉内のトリグリセリドや血液中の遊離脂肪酸など

エネルギーを作り出す際に、必ず酸素が必要になるため、有酸素性運動と呼ばれます。

運動中の呼気ガス(呼吸時の息)の分析によって、酸素を摂取した量(酸素摂取量)と
呼吸によってできた二酸化炭素の量(二酸化炭素産生量)を測定すれば、ATPの量(エネルギー量)が分かります。

つまり、消費カロリーが計算できます。
1分間あたり、体重1kgあたりどれくらいの量の酸素を取り入れることができるかが「酸素摂取量」と呼ばれ、その最大値が「最大酸素摂取量」となります。

運動をどれだけ継続できるかは、この最大酸素摂取量によって決まります。

これは個人差があり、最大酸素摂取量が多い人ほど、持久力があることになります。

また、最近の研究において、最大酸素摂取量の値が高い人ほど糖代謝(インシュリン感受性)が高いと言われており、糖尿病の予防によいと考えられています。

◆ インターバル/インターミッテント トレーニング 

先ほど記載したとおり、あらゆる運動においては、無酸素性と有酸素性の供給システムが利用されているため、運動能力(パフォーマンス)を上げるには、その両方の機能を高めることが有効と考えられます。

そのため、両方の機能を同時に高めるのに良いとされるのが、インターバル/インターミッテント トレーニングです。

その中でも効果が高いと言われるのが、田端教授(立命館大学)提唱の「タバタ トレーニング」です。
高強度の運動20秒と休息10秒を6~7セットおこなうもので、インターミッテント トレーニングの一種です。

高強度の運動としては、
・エアロバイク(自転車こぎ)
・ラン(全力疾走)
・バーピー運動
など

バーピー運動については、こちらの動画を参照してください。

(出典:「Men’s Beauty(メンズビューティー)」(小学館))

※参考資料 
・Wikipedia
・タバタ式トレーニング(田畑泉教授)

筋肥大のメカニズム

◆ ヒトの筋肉 

筋肉は筋線維という細い筋細胞が束になって構成されています。
ヒトの筋肉は、一般的に大別すると次のとおり分類されます。(※Wikipediaより)

  • 骨格筋: 骨格に付随して身体を構成し、姿勢を制御する
  • 内臓筋
      平滑筋: 心臓を除く内臓および血管を構成する筋肉
      心筋: 心臓を構成する筋肉

いわゆる「筋トレ」をおこなう対象の筋肉は、「骨格筋」になります。

一方で、筋肉は見た目の色から「赤色筋」「白色筋」の2種にも分類されます。

これは筋肉中に含まれる「ミオグロビン」や「ミトコンドリア」の量に左右され、ミトコンドリアが多く活発なものが赤く、少なく不活発なものが白く見えます。

白色筋は、筋繊維中に存在する収縮性の筋原繊維が発達しているため素早く縮むことができます。
そのため、「速筋」とも呼ばれます。

糖(グリコーゲン)を使ってエネルギーを生成します。

エネルギーの生成量は少ないのですが、短時間で作り出せるため、すばやく動くことができます。
しかし、白色筋は疲れやすく持久力には劣ります。

瞬発力、高負荷に対応する筋肉と言えます。
筋肥大させてマッチョな体を作るためには、高重量・高負荷での筋トレによってこの白色筋を鍛えることになります。

赤色筋は、酸素を材料にして行うエネルギー生成によって、運動を持続的に行う(いわゆる持久型運動、有酸素運動と呼ばれるもの)のに適していて、心臓や呼吸に関する器官の筋肉を構成しています。
速筋に対して「遅筋」と呼ばれています。

また、これらの筋繊維の本数とそれに伴う割合は個人差があり生まれつきほぼ決まっているとされています。

ただし、白筋繊維には、Ⅱa型(遅筋型)とⅡb型(速筋型)があり、持久トレーニングを継続しているとⅡb型からⅡa型に変化することで持久力がアップするとされています。

なお、高重量・高負荷での筋トレを継続した場合は、筋繊維の割合が変化するということではなく、筋繊維が太く、体積が大きくなるということです。

◆ 筋肥大のメカニズム 

筋肥大のメカニズムについては、科学的に完全に解明されたわけではありませんが、一般的に以下の通り考えられています。

筋肥大させる対象は、白色筋となります。

高負荷での筋トレをおこなうと、刺激を受けた筋肉は、その線維の一部が傷つきます。
そして、栄養と休養を与えることにより、傷ついた筋肉が修復されます。

このとき筋線維は以前よりも少し太くなって修復され、断面が大きくなります。
トレーニングを繰り返すことで筋肉の体積が増加し、筋力アップにつながります。

また、筋トレによって成長ホルモンが分泌され、この作用によっても筋肥大につながります。

ただし、一時的な筋トレや同じ重量・負荷でのトレーニングの繰り返しでは、筋肥大の効果が期待できません。

筋肥大を起こすためには筋肉への刺激が必要であるため、筋トレでの負荷を少しずつ上げていく必要があります。
そして、休息日を取りながら、繰り返し継続することによって筋線維は徐々に太くなり、筋肥大へとつながります。

※参考資料
・厚生労働省(e-ヘルスネット) 「加圧トレーニング、加圧トレーニングと成長ホルモン」

一口に筋トレと言っても様々な種目がある

◆ 筋肉の鍛え方(使い方)

筋肉の鍛え方については次の3つがあります。

  1. 短縮性筋活動(コンセントリック) : 筋(筋繊維)が収縮しながら、ウェイトの移動と同じ方向に力を発揮する。
    例えば、ベンチプレスにてバーベルを持ち上げる動作になります。胸の筋肉が収縮してバーベルに力を加えますが、力を加える方向にバーベルが移動します。
  2. 伸長性筋活動(エキセントリック) : 力を発揮している筋が外力により短縮方向とは反対に伸長される。
    例として、ベンチプレスにてバーベルを持ち上げた状態からゆっくりと元に戻す動作になります。
    バーベルを支えるように力を上方向に加えますが、バーベルはゆっくりと反対側の下方向に移動します。その際、胸の筋肉は収縮状態から伸張していきます。
    筋肉を伸ばしながら、力を加えるという感じです。
  3. 等尺性筋活動(アイソメトリック) : 筋長が変化しない。
    例として、体幹を鍛えるプランクがあります。
    身体をまっすぐに維持するために、腹筋が収縮した状態で変化がありませんが、常に力が発揮されている状態です。

◆ 筋トレの種類 

また、筋トレの種類として次の3つがあります。

(A) 器具を使っておこなうもの :ダンベルフライなど。
 ウェイト重量が器具に支持されており、可動範囲が限られていることから、万一、力つきてウェイトの負荷に耐えきれなくなっても身体に落下して怪我をするリスクは低くなっています。

 持ち上げられる限界の重量にチャレンジするときにでも、安全におこなえるのが利点です。

(B) フリーウェイト :ダンベルなど
 フリーウェイトは重りのみなので、いかようにでも動かせるので、特に姿勢に注意する必要があります。誤ったフォームで思い重量を扱うと関節や筋を痛めてしまう可能性があります。

 一方で、可動範囲が広いため、筋肉の可動範囲も広くなり、鍛えたい部位の筋肉を大きく動かせることができます。

(C) 自重でおこなうもの :腕立伏せなど
 ウェイトを使わずおこないます。
 すでによくご存じの通り、腕立て伏せ、腹筋クランチ、背筋バックエクステンションなど。

 負荷となる重量は増やせませんが、姿勢を変えたり、腕や脚を加圧しておこなったりすることで、ある程度、筋肉にかかる負荷を増やすことは可能です。

(D) 静止しておこなうもの :プランク、アイソメトリック
 上記で紹介した「③等尺性筋活動(アイソメトリック)」を活用したトレーニングです。

 腕の曲げ伸ばし等の動作がないため、関節を傷めるリスクが低く、筋トレ初心者でも取り組みやすいです。
 ただし、自重トレーニングと同様に負荷が限定されてしまうため、ある一定以上の筋肥大は期待できないでしょう。

筋肉をどの程度、肥大させたいか、そして、あなたの置かれている環境や状況によって筋トレ方法を選ぶと良いでしょう。

筋トレにあたっての基本事項

筋トレをおこなうにあたっての基本事項として以下があります。

◆ トレーニング前のウォーミングアップ 

筋トレ前のウォーミングアップとして、20回程度持ち上げられるような軽いウェイト(重量)を用いて、これからおこなう予定の筋トレの動作を確認しながら、しっかりと筋肉の収縮・伸長をおこないます。

筋肉の主要部位について1~2セット程度おこない、筋肉があたたまればOKです。

いわゆる静的ストレッチ(筋肉をゆっくり伸ばして止める)は最小限でOKです。
筋トレでおこなう部位の筋肉に対して、ゆったりと呼吸しながら15秒程度伸ばします。

この静的ストレッチについては、その後の最大筋力の発揮を抑制してしまうため、やらない方がよいとされています。

ただ、これは中・上級者向けの注意事項であり、これまで筋トレをしてこなかったという40代以降で初級編の人は、あまり気にする必要はないでしょう。

筋トレ後のクールダウンには、筋肉の緊張をほぐすため、ストレッチはしっかりおこないましょう。

◆ 動作のフォーム(姿勢)

正しく動作をおこなう。

誤ったやり方でおこなうと関節や筋を痛めてしまうおそれがあります。

理想としては、最初のうちは、ジムなどでトレーナーからフォームを指導してもらうことが望ましいです。
しかし、それが難しい場合は、Youtubeなどの動画を見て姿勢を確認しながらおこないましょう。

筋などを傷めてしまうと、しばらくトレーニングができなくなり、そのまま挫折してしまうケースも見られます。
まずは軽いウェイト(重量)で正しいフォームを覚えてから徐々に重量を上げていくようにしましょう。

なお、日頃は、ジムに通えない方でも、回数券を活用してみてはいかがでしょうか。

ジムよっては回数券を販売しているところがあるので、例えば、1ヶ月に1回程度、時間をとってジムに行き、日頃おこなっているトレーニングフォーム(姿勢)をトレーナーに見てもらい、微修正してもらうとよいでしょう。

高重量でガンガン筋トレし、早く筋力アップしたいという焦る気持ちもあるかもしれません。

今まで筋トレになじみがなかった方や久しぶりにおこなう方は、ぐっとこらえて、しばらくは軽い重量で体を十分に慣らすようにしてください。
怪我による挫折を避け、長く続けることができますので、結果として、着実に肉体も変化していきます。

半年、1年と筋トレで努力して体を作り上げてきても、関節を傷めるなどの怪我でトレーニングを休止せざるを得なくなった場合、筋肉量が落ちてしまいます。

特に、上半身で顕著に見られます。脚については常に立ち座り、歩くなど負荷がかかっているのに対して、上半身にはほとんど負荷がかからないためです。

だからこそ、せっかくの努力が無駄に終わらないように、フォーム・姿勢には注意しておこなっていただきたいと思います。

◆ 反動を使って持ち上げない 

反動や勢いをつけて、ウェイト(負荷)を持ち上げたり、引いたりしないようにしましょう。

筋肉にしっかりと負荷がかからず、せっかくのトレーニングの効果が半減してしまいます。

静止した状態から動作をおこなうようにしましょう。

◆ 鍛える筋肉の部位を意識しておこなう 

筋トレする際には、鍛えたい筋肉の部位の動きを意識しておこなうと効果的です。

英国心理学会(The British Psychological Society)での研究報告においても、使う筋肉の動作に意識を集中せずに筋トレ(上腕二頭筋)をおこなった場合に比べて意識した方が筋肉への刺激が大きかったとされています。

おそらくヒトが運動をおこなう際には、色々な筋肉が助け合ってそれぞれの負担を減らすように無意識におこなっているものと考えられます。

そして、意識することで、その部分の筋肉が主体となって働き、結果としてその部分にしっかりと負荷がかかるようになると考えられます。

◆ 呼吸を意識しておこなう 

筋トレをおこなうにあたっては、呼吸にも気をつけましょう。
基本的な考え方として、鍛える目的の筋肉が収縮する動作で吐き戻す動作(伸展する動作)で吸います

例えば、ベンチプレスの場合、ウェイトを持って腕を曲げた状態からスタートし、息をゆっくりと吐きながら腕を伸ばしウェイトを上に押し上げます。
このとき鍛える目的の胸の筋肉(大胸筋)が収縮します。

そして、息を吸いながらゆっくりと腕を曲げつつ、ウェイトを胸の位置まで戻していきます。
このとき大胸筋は伸展します。

慣れないうちは、軽いウェイトでおこない、コツをつかみましょう。

呼吸を止めて踏ん張ると過度に血圧が上昇する可能性があります。
特に40代以降、血圧が高い方や不整脈のある方などは注意していただきたいです。

ただ、一説によると・・・
呼吸を止めて重量を上げることと血圧との関係はないとする説、
呼吸を止めた方が腹圧が高まり腰回りが安定することで高重量が上げられるというデータがあります。

ボディビルダーなど上級者はこのテクニックを使っているケースも見られます。

もし、実際におこなうにあたっては、医師・専門家による指導を受けるべきと考えます。
本サイトとしては、余計なリスクを回避するためにも呼吸は止めないでトレーニングをおこなうことをおすすめしています。

筋トレの具体的方法

◆ 筋トレで扱う重量と回数の考え方 

目的によって重量とその回数を決めます。

ここで、RMという考え方を紹介します。
RMとはRepetition Maximumの略で、繰り返しできる最大重量を示します。

例えば、10回だけ持ち上げられる限界の重量が10RMとなります。

特に、筋肉を大きくしたい、筋肥大させたいということであれば、
「何kgを持ち上げるか」
ということよりも
「常に筋肉に最大限の負荷をかける」こと
に注目しましょう。

ヒトの脳は、実際に重量物を持ち上げてみて限界を知ることによって、筋肉をさらに強化しようと働きかけます。
そのため、余力のある範囲で持ち上げていても筋肉の強化はおこりません。

目的に応じて、おおよそ以下のRMの値でトレーニングをおこないます。
ただし、数字は目安であって厳密なものではありません。

  1. ~数RM :筋瞬発力、神経系
    ウェイトリフティングのように限界重量を一気に持ち上げることを目的としたものです。
    瞬発力、神経系を鍛えることを目的とします。
  2. ~15RM :筋肥大
    筋肉を肥大化させるのに適したトレーニングです。
    速筋を鍛えることを目的とします。
  3. 15RM~(30RM) :筋持久力
    筋肉の持久力を鍛えるのを目的としています。
    遅筋を鍛えます。
    つまり、大きな筋肉群のアウターマッスル(大胸筋や大腿四頭筋など)に隠れた奥にある比較的小規模の筋肉群(インナーマッスル)に効果的に刺激を与えることを目的とします。

身体の筋肉バランスを整えるためにも、アウターマッスルとインナーマッスルをどちらも筋トレによって鍛えましょう。

アウターマッスルは肉体の見栄えやシルエットを美しくし、インナーマッスルは身体の軸となる骨格を陰で支え、機能的で疲れにくくするために役立ちます。
そのため、両方をバランスよく鍛えましょう。

◆ 筋トレの動作 

筋トレをおこなうにあたっては、正しいフォームを知るとともに、鍛える部位に意識を集中させます。

・短縮性筋活動(コンセントリック)の動作時には、筋肉の縮む部位を意識
・伸長性筋活動(エキセントリック)の動作時には、筋肉の伸びる部位を意識

  1. マシンを使う場合の例
     マシンの接触部(手でつかむ箇所や足が触れる箇所)の位置を微調整します。
    (マシンの種類によっては、調整できる範囲は限られるかもしれません。)
    まず軽いウェイトを設定し、動作を確認しながらおこないます。
    関節や筋に違和感がないか、チェックしましょう。
  2. フリーウェイトを使う場合の例
    ダンベルやバーベルなどのフリーウェイトを使う場合はその動線が固定されていないため、我流になりやすい傾向があります。
    そのため、関節や筋に余計な負荷がかかってしまって痛めやすいので注意が必要です。
    最初は指導者について学ぶのが理想です。
    あるいは、動画を繰り返し見てまねましょう。
  3. 自重トレーニング
    器具を必要とせず、畳1畳分のスペースがあればトレーニングできるので、場所を選ばず、おすすめです。
    腕立て伏せ
    腹筋運動
    背筋運動 など 

自重トレーニングについては、高い負荷をかけることができないため、筋肥大の効果はあまり期待できません。

しかしながら、少しでも筋肥大させたいということであれば、

 ①加圧ベルトを装着する

 ②動作をゆっくりおこなう

という選択肢があります。

①について、加圧トレーニングをおこなうにあたっては、まずは専門のトレーナーについて指導を受ける必要があります。

血流を絞ることで筋肉に負荷をかけ、乳酸を多量に発生させることで高重量のウェイトを扱ったような効果が得られます。
筋繊維を壊して超回復させます。

また、成長ホルモンの分泌を促すため、筋肉増強をさらに促進させることができます。
成長ホルモン分泌によって健康増進への効果もあるため、予防医学でも活用されています。

デメリットとしては、指導を受ける費用や加圧用ベルト購入費などコスト面での出費が痛いところです。

しかし、一旦、やり方を身につけ、注意点を守れば、とても心強いツールとなります。

長期間の出張などでジムに行けない等の場合でも、加圧ベルトを持参すれば、ホテル等でも気軽に筋トレができます。
自重トレーニングの欠点である負荷の弱さを補うことができます。

②について、自重トレーニングであっても、その動作をじっくりとゆっくりおこなうことでも、筋肥大効果が得られます。
(高重量での筋トレに比べると、効果は弱いのですが)

例えば、腕立て伏せの場合、腕を曲げて胸をおろす際に10秒程度かけておこない、腕を伸ばして戻す際にも同様に10秒程度かけてゆっくりおこないます。

つまり、筋肉に負荷をかける運動では、一般的に1RMの6割~7割の負荷が最低でも必要とされており、自身の体重を利用する腕立て伏せのような運動では大きな効果が期待できないといわれてきましたが、ゆっくりとした動作でおこなうことで、筋肉にしっかりと負荷をかけることが可能となります。

筋肉を休ませないよう常に動作中は力を入れ続け、ゆっくりとおこなってみてください。

※参考資料: 厚生労働省 e-ヘルスネット「スロートレーニングとは」

筋トレ効果を上げるコツ

◆ 決めた回数+1回 

筋肉を肥大させたい、大きくしたい!

そのための筋トレをおこなう際のコツの1つとして、「プラス1」の法則があります。

筋肥大のためのトレーニング方法としては、基本として、12回持ち上げられるギリギリの重量(12RM)を選択します。
その重量で3セットおこないます。

ここでは、1セット12回と設定しましたが、目安として10~15回程度です。

その際、各セットにおいて、最後の12回目を完遂した際、もう1回余分におこないます。

なお、2セット目、3セット目になるにつれ、12回持ち上げられなくなるかもしれません。
10回で限界になるかもしれませんが、それでOKです。

最大限おこなえる回数に達したところで、さらに1回おこないます。

最大限の回数を持ち上げると筋肉がパンパンに張ってきて、辛い状態です。
早く休息したいと思うところですが、そこでもう1回頑張るのです。

脳は身体の防御反応として、限界よりも早い段階でSTOPの信号を発します。
もう限界!と思っても実はまだ余裕が残っています。

そこで、もう1回おこなうことでしっかりと筋肉を追い込んで使うことができます。

その積み重ねが筋肥大につながっていき、タフな筋肉を身につけることができます。

また、この習慣を身につけることで、ビジネスや日常生活での辛いときや苦しいとき、それを乗り越えないといけないときに、もう一踏ん張りできるようになります。

苦しいときにもう1回というマインドセット(心構え)を持つことで、すぐに諦めてしまうことを回避し、行動を起こせる力になります。

◆ 筋肉を休ませる 

トレーニングの話を中心に記載しましたが、実はトレーニングと同じように大切なことは、休息をとることです。

毎日、ハードな筋トレをおこなっても、トレーニング時間に比例して筋肉が増える訳ではありません。

休息を適切にとらないと、筋肉(繊維)が修復する前にダメージが蓄積し、むしろ筋肉がやせ細ってしまうおそれがあります。
トレーニング日を週3日~4日程度とし、間に休息日を設定しましょう。

なお、ご参考までに、鍛える筋肉の部位を変えてトレーニングするという方法もあります。

例えば、

月曜日: 上半身(胸、腕)
火曜日: コア周り(腹筋、背筋)
水曜日: 下半身(腿、ふくらはぎ)
木曜日: 上半身
金曜日: コア周り
土曜日: 下半身
日曜日: 完全休息日

身体の疲労度、筋肉痛の状態を見ながら、あなたに合ったローテーションスケジュールを作ってみましょう。

週3日制とするか、毎日ローテーション制とするか、自分のライフスタイルにはどちらが合っているか、まずは試してみましょう。

◆ 素直にやってみる 

まずはまねてみる。

ジムで指導を受けるにしても、動画を見ながらおこなうにしても、とにかくまずは、そのままマネしてみることが大切です。
結果を出している人のやり方をまずは素直にやってみることが秘訣です。

というのも、結果を出している人、結果を出し続けている人は、それまでに多くの試行錯誤、トライ&エラーを繰り返し、ようやく結果につながるやり方を導き出したものです。

それをまねすることによって、同じ失敗を繰り返さずにすむ可能性が高いです。

さらに上級編として、その裏にある、結果を出している人の考え方(マインドセット)を知ることもまた大切です。

何を思って、考えて、感じておこなっているのか?

例えば、
嫌々、面倒だと感じて筋トレをおこなうのか、
あるいは、
これを乗り越えれば理想とする自分の姿を得られると感じて筋トレをおこなうのか
絶対に結果を出してやるという強い思いでとりくんでいるのか

実際に結果を出している人に話を聞く機会があれば聞いてみるといいかもしれません。

筋トレからの疲労回復・体のケア

ボディメイキングをおこなうにあたって、筋トレ後の疲労回復、休息もまたトレーニングと同じくらいに重要です。

いかに休むか?がパフォーマンスを上げるための重要なステップになります。

特に40代以降、疲れがとれにくいと感じたことはありませんか?

運動やストレスなどによって、体内に活性酸素が発生し、細胞を酸化させてしまいます。
酸化した細胞は老廃物となり、すみやかに体外に排出されれば良いのですが蓄積すると疲労因子が発生します。

通常、これに対しては、疲労回復因子(タンパク質の一種)が対処します。

10代、20代の頃は、こうした一連の手当てがスムーズに順調に進みます。

しかしながら、加齢とともにエネルギー源となる細胞内のミトコンドリアが減少することで疲労回復の措置に必要なエネルギーが不足し、手当てが間に合わなくなっていきます。

そこで、日々、活性酸素への対処、疲労回復策が大切になります。

◆ 疲労回復策 

①トレーニング後のクールダウン

 筋トレによって緊張した状態になっている筋肉のストレッチをおこない、血行促進による十分な酸素供給をおこなうとともに発生した老廃物の排出をうながします。

②栄養補給

疲労回復の観点での食事として、以下がおすすめです。

・にんにく、玉ねぎ
 疲労回復成分のアリシンを多く含みます。

・豚肉
 筋肉の材料となるタンパク質と疲労回復成分のビタミンB群を多く含みます。

・パプリカやニンジンのカロテン、トマトのリコピン、緑茶のカテキン、鶏肉(胸肉)など

 活性酸素に対する抗酸化作用をもっています。

 また、鶏肉(胸肉)に含まれる「イミダペプチド」は特に脳で作用しやすいと言われています。

・アセロラ、赤ピーマン、レモンなど

 抗酸化作用のあるビタミンC、それを助けるコエンザイムQ10、疲労回復成分のクエン酸が含まれています。

なお、栄養ドリンクのとり過ぎには注意しましょう。糖質がたっぷり含まれているため、過剰な糖を摂取してしまいます。

③ 入浴、温泉

シャワーのみで済ませないで、浴槽に浸りましょう。

熱いお湯に肩まですっぽり浸かって長時間入ると、むしろ身体が疲れてしまいます。

ややぬるめのお湯で半身浴がおすすめです。副交感神経が働きリラックス効果、疲労回復効果が得られます。

④ 睡眠

できれば6時間は確保したいところですが、適切な時間は個人差があるようです。

忙しく睡眠時間が十分確保できない人は、寝入りの30分の質を高めましょう。
この30分の質をいかに上げるか?が勝負です。

寝る前にPCなど光をシャットアウトして深呼吸してリラックスし、副交感神経が優位となるように調整します。
自分なりの入眠の儀式を作るとよいでしょう。

また、いびきをかく人は横向きに寝ることをおすすめします。
いびきをかくと言うことは、気道が狭まっていて、血圧や脈拍の上昇につながります。このとき交感神経が優位となり、眠りが浅くなります。

⑤ 瞑想のススメ

瞑想というとあやしい印象を受け、抵抗感があるかもしれません。
しかし、メンタル面での疲労回復にはとても効果があります。

常に脳はストレスにさらされています。

姿勢を正して、軽く目を閉じ、リラックスし、深く呼吸をおこないます。
その際、腹式呼吸でおこないます。

自然な感じで鼻から息を吸い、口からゆっくりと細く息を吐き出します。

遠くのかすかな音に耳をたてる意識でおこなうと集中できます。
雑念がわいてくるかもしれませんが、気にせず、そのまますべてを受け入れるようにおこないます。

⑥ 軽い運動

ごく短時間(~30分程度)昼寝をして完全休養するのもおすすめです。
ただし、長時間だらだらと寝てしまうのは、むしろ夜の睡眠の質が低下してしまうので、避けましょう。

散歩など軽く体を使うことで、適度に血行をよくして老廃物の排出を促します。
森林浴をしながら散歩というのもいいですね。

◆ そもそも疲労のメカニズムとは? 

「疲労」は、「痛み」、「発熱」と並んで生命体の3大アラームと言われています。
休息が必要との身体からのシグナルと言えます。

疲労は、「末梢性疲労」と「中枢性疲労」に分類されます。
  「末梢性疲労」とは、脳以外の身体(末梢)、つまり筋肉などでの疲労感覚
  「中枢性疲労」とは、主に脳での疲労感覚

疲労が生じるメカニズムとして、次のようなものが考えられています。
・エネルギー源(食事)の不足
 食事により十分なエネルギーの摂取が行われないと、疲労が起こりやすくなります。

高強度あるいは長時間の負荷
 エネルギー供給が十分でも強い負荷(ストレス)を受け続けると疲労は惹起されます。

 筋肉(骨格筋細胞)や脳(神経細胞)などに負荷が加わった際、過剰な活性酸素により「酸化ストレス」の状態に晒されることで、細胞機能の低下やミトコンドリアにおけるエネルギー生成力の低下を引き起こします。

 日本では、栄養供給は十分と思われるので、運動による身体疲労、デスクワークや運転による精神的疲労は、むしろ、この「酸化ストレス」による筋細胞あるいは神経細胞へのダメージにより引き起こされることが多いと考えられています。

脳の調整力の失調
 思考や記憶といった脳を連続して使い続けることなどにより、脳の調整力が低下し、情報の処理がスムーズにおこなわれなくなることで疲労します。

◆ 疲労と疲労感は違う 

疲労は身体的、精神的に負荷がかかり一時的にパフォーマンスが落ちることです。

一方で、楽しいこと、やりがいのあることに夢中になり、疲れを覚えないことがありますが、長時間続けたり、寝ないでいるとパフォーマンスは必ず落ちます。
逆に、ストレスフリーの低い状態で自宅にて布団の中でずっと横になっていても、疲れを感じたりします。

実際の疲労度と感覚的な疲労感があります。
疲労感がなくても、しかるべき休息はとるべきと考えます。

昨日にハードな筋トレをガンガンやって、今日、意外と疲れていないと感じて、同じように筋トレをガンガンやっていると疲労は着実に蓄積し、やがて慢性疲労にいたり、疲労が抜けなくなることも。

また、筋肉の損傷が修復される際に筋肥大が起こるにもかかわらず、修復がなされないうちに、負荷をかけ続けていると筋肉はやせ細ることにもなりかねません。

休息と栄養を意識しましょう。

◆ 筋肉痛とは?

疲労と筋肉痛はまた別物です。

筋肉痛のメカニズムは、医学的にははっきりと解明されていません。

以前は、運動したときに生じる「乳酸」が疲労物質として蓄積することが原因だとする説もありましたが、その後、矛盾点が指摘されており、現在では、運動によって傷ついた筋肉(筋線維)を修復するときに起こる筋膜での痛みという説が有力となっています。

①普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、筋線維や周りの結合組織に傷がつく。

②傷ついた筋線維を修復するために白血球などの血液成分が集まる。

 このとき「炎症」が起きて、刺激物質(ブラジキニン、ヒスタミンなど)が生産され、筋膜(筋肉を包んでいる膜)を刺激する。
 それが感覚中枢を介し、痛みとして感じる。

つまり、筋肉痛とは、傷ついた筋線維を修復する過程で炎症が起き、生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるものと考えられています。

目標を設定する

目標設定にあたっては、長期目標・ゴールを設定し、そこから逆算して、1日1日、何をおこなうかというToDoリストへ落とし込むことが基本となります。

80歳、70歳、60歳・・・どうなっていたいか、目標を定めて、ありたい姿をイメージします。

そこから逆算して5年後、3年後、1年後、3ヶ月後・・・どうなっていたいか?
現在に近づくほど、より具体的に目標を設定します。

詳細な計画は、3ヶ月単位がおススメです。

1か月後、2か月後、3ヶ月後の目標を立て、さらに1週間のスケジュールを作成します。
そして、月曜日から日曜日までの1週間、1日ごとのメニューを作成します。

例えば、3ヶ月後の目標とする体重、体脂肪率などを設定します。

まずは、仮の設定でOKです。
やりながら目標を修正していけばよいと思います。

というのも、目標とする状態と現在の状態のギャップを把握し、そのギャップを埋めるために必要な行動と期間の把握には、最初のうちは予想精度がわるいためです。
結果がでるスピードも個人差があります。

3ヶ月間、○○をおこなえば、体脂肪率が5%落とせる、と考えたとしても、実際に取り組んでみると、その方法では到達が難しいことに気づきます。

そのため、行動と結果を確認しながら、トライアンドエラーを繰り返しながら、随時、目標を見直していくとよいでしょう。

ひょっとすると最初に設定した目標を変えることに抵抗があるかもしれません。

それは、もともと子供の頃の学校教育によって、最初に決めた目標は変えてはいけないと刷り込まれてきたことによることが大きいと思われます。

しかし、これを繰り返しているうちに、予想精度が高くなっていきます。
これをやるとこうなるだろう、という予想の精度があがっていくというです。

当初の目標が達成できなかった、目標を下方修正したことに対して、自身に罪悪感を覚える必要はありません。

淡々とその因果関係のみを見て、次の期間の目標をどうするか、何をするかにフォーカスして、何度もトライアンドエラーで実行するのみです。

さらには、肉体改造での目標設定とその実践は、他のジャンルの目標設定や夢の達成へも応用できます。

目標達成に向けての進め方を身につけるためには、身体作りはわかりやすいと思います。
原因(行動)と結果がはっきりと見えるからです。

また、比較的短期間で良くも悪くも結果が出ます。

毎日、記録することで数値の変化を見ていきます。

何を記録するかは、あなたの目標によって変わってきますが、ボディメイキングの観点からは、

・体重
・体脂肪率
・食べたもの、カロリー、タンパク質量
・消費カロリー
など。

消費カロリーは腕時計タイプの活動量計などを活用するとよいでしょう。

今週1週間取り組んだことが、次の週、体重や体脂肪率に変化が見られると思います。(個人差はありますが。)
値は、日々、変動するので1週間単位での変化傾向をみるとよいでしょう。

習慣化

これまでにも何か始めようとしても途中で挫折してやめてしまった経験はないでしょうか?

自分自身で巧妙な理由をつけて、やめてしまう。
無意識のうちに、できない理由を探してしまう

人間の脳はある意味自己防衛本能のために新しいことをやることに対してSTOPをかける傾向があります。

いわゆるコンフォートゾーンと呼ばれる現状維持機能です。
良くも悪くも今の状態のままであろうとします。

現状で満足しているのであればいいのですが、変わりたい、自分を変えたい、と思っている人にとっては、この現状維持機能は、なかなかてごわい相手です。

そこで、筋トレを継続して、なりたい自分に変えていくためのちょっとしたコツをご紹介したいと思います。

◆ 目的意識 

何のためにやるのか?

すでに述べたとおりですが、ここを明確にしておくことで、くじけそうなときも決意を新たにすることができます。

「初心忘れるべからず」とも言えるでしょう。

理想のボディを手に入れる!と決意したときの気持ちを思い出すことで”壁”を乗り越えていきましょう。

◆ 仲間、SNSコミュニティ 

同じ目的に向かって努力している仲間を見つけること。

仲間の存在は大きいです。

リアルな場で一緒にトレーニングするか、あるいは、近くに仲間がいない場合は、SNSなどのWeb上でのコミュニティに参加するのもいいでしょう。

ただし、批判しあったり、足の引っ張り合いになるようなコミュニティは避け、応援しあえるような場を選びましょう。

◆ メンター、師匠 

厳しくも温かい師をもつことも大切です。

ボディメイクを指導する師として誰を選ぶか?

リアルな指導でも、ネット経由での指導でも相談したいときに助言をもらえる人を見つけると

自分では気づかない誤りを見つけてもらえたり、挫折しそうになるときに励まし、時に喝を入れてもらえます。

選ぶポイントとしては、指導者として自身もさらに成長しているか、実践しているか、体現者であるか?

◆ 日常生活に取り込む 

筋トレのための時間をとって取り組むのももちろん良いですが、忙しくてなかなか時間をとれない人は、日常生活の行動にトレーニング要素を入れていくということです。

● 通退勤時での階段利用(マンション・アパート、会社、駅など)、一駅分歩く、家事・そうじ など

階段を上がる際には、ふくらはぎの部分をMAXに収縮させて十分に伸ばしてそこから収縮させる。
しっかりと負荷がかかっていることを確認しながらおこないます。

いわゆるカーフレイズという運動になります。

ただ、漫然と階段を上がるということではなく、使う筋肉の部分をしっかりと意識しておこなうことによって効果が違ってきますので、ぜひ試してみてください。

◆ 小さく小さく 

いきなり欲張ったトレーニングメニューを作ると長続きしない可能性があります。

まず、今確実にやれることは何かを考えて、それに少しだけプラスします。

そしてそのトレーニングメニューを確実にやれるようになったら、またさらに少しプラスします。

その繰り返しです。

少しずつ、少しずつプラスしていきます。

先ほど、人の脳には現状維持機能があると言いましたが、大きく変化させると脳の防衛本能としての抵抗力が働きますが、少しずつ変化させることによって脳に気づかれず、着実に変化していけます。

◆ わくわく感 

トレーニングと言うとどうしても辛い、苦しいイメージがあり、実際、あなたもそう感じているかもしれません。

そこで、トレーニングをおこなうにあたっては、その成果が出た先のイメージ、目標達成した後のありたい自分をイメージして、いかにわくわくできるか、が大切なポイントになります。

このわくわく感を得ることができれば、しめたものです。

最初のうちは、なかなかうまくイメージできないかもしれません。

それでも、Web上での動画や画像、さらには雑誌など、思わず目が止まるような「これいい!」というものを探してみるのもいいでしょう。

結局、自分が理想の姿になったら、こうしたい、あれもしたいという思いを持つことが駆動力となって継続の力となります。

筋トレ効果を上げるための栄養補給

これまで筋トレについて書いてきましたが、最後に食事についても触れたいと思います。

実は、ボディメイキングにおける食事の重要度は、筋トレ3割、食事が7割ともいえるほどです。

食べたものがあなたの身体の材料になる、と気づけば、おのずと食事の大切さを理解いただけるかと思います。
毎日の食事、食習慣が今のあなたを形作っています。

筋トレの効果を最大限に上げて理想のボディを手に入れるための食事についてコツを紹介します。

◆ 筋肉の材料となるタンパク質 

まず、筋肉の材料となるタンパク質を摂ります。

1日に摂る目安として、体重1kgあたりタンパク質1.5g~3g程度です。

あなたの体重が60kgであれば、摂るタンパク質は90g~180g程度(1日当たり)となります。

ボディビルダーのように筋肉量をガンガン増やしたい場合は、体重1kgあたり3g近く摂ります。

これは、なかなかの量で、鶏ササミ肉100gでタンパク質30g程度ですので、タンパク質180gと摂ろうとするとこのササミ肉を600g食べることになります。

食事だけで摂るのは大変ですので、プロテインをうまく活用しましょう。

例えば・・・

1食あたりのタンパク質を30g、3食摂り、間食としてプロテイン(あるいは高タンパク食品)を30g、3回摂ることになります。

ただし、タンパク質を多く摂ると多少なりとも内臓に負担をかけるため、特に腎臓の病気をお持ちの方は医師に相談してください。

一方、細マッチョを目指すのであれば、上記の半分程度のタンパク質でOKです。

そして、タンパク質の吸収や体内での利用を助けるのにおススメしたいのがビタミンCとビタミンB6です。

ビタミンCは、体内でのアミノ酸の合成、腱や骨格などの筋肉を支える組織を構成しているコラーゲンの合成に必要です。
ビタミンB6は、体に入ってきたタンパク質を、体内で利用・吸収できるアミノ酸に分解するのに必要です。

◆ 糖質の功罪 

糖質のメリット

筋トレ前にとることでエネルギー補給をします。
エネルギーが不足すると筋肉中のタンパク質を分解して補おうとします。

筋トレ後の糖質補給は、細胞へのタンパク質(厳密には、分解されてアミノ酸)の取り込みを助けます。

そのため、筋トレ前後での程度な糖質の摂取は必要です。

糖質のデメリット

一方で、糖質のとりすぎは、タンパク質・脂質と合成し、「糖化」がおこります。

老化促進物(AGE)を作り出してしまいます。

血管で起こると血管壁に炎症が発生し、動脈硬化、さらには心筋梗塞につながるおそれがあります。

腎臓においては、ろ過膜が働きを失い、尿中にタンパク質が漏れ出すおそれがあります。

食後1時間あたりで、血糖値が一番上がり、AGEが生成されやすいと言われています。

筋トレ時以外には、糖質を控えるか低GI値(GI値:血糖値の上昇のしやすさ)の食品をとることを意識しましょう。

ちなみに、活性酸素等による細胞の酸化が体の「サビ」と言われるのに対して、糖化は「コゲ」に例えられます。

ちょうどパンケーキに含まれる卵のタンパク質と砂糖が熱によって反応し、糖化が起こり、焦げた状態に似ています。

一般的に体内での代謝に関わる酵素はタンパク質なので、糖化するとその働きを失います。
そうなると、代謝が低下します。

特に、活性酸素除去の酵素(抗酸化SOD等)が糖化によって働きを失うと、様々な酸化ストレスに対抗できなくなり、酸化が進行してしまうことに。

逆に、ストレスによって体内で活性酸化が発生すると、脂質の過酸化を促進します。生じた過酸化物は再びタンパク質の糖化を促進します。

このように酸化と糖化は互いに関連しあっており、対策をしっかりおこなっておかないと悪循環に陥るおそれがあります。

現代においては、糖質過剰環境にあります。

見渡せば、スナック菓子、清涼飲料水、白米、パスタ、お好み焼きの粉もの、パン、インスタント食品など、糖質にあふれています。

何を食べるか、意識して選別しないとあっという間に糖質のとりすぎになりますので、注意が必要です。

◆ 抗酸化 

40代ともなると基礎代謝の低下や老化が進行します。

運動習慣をもつことで基礎代謝の低下を抑えるとともに、老化の原因となる活性酸素への対策が重要となってきます。

同じ筋トレメニューでも20代の頃のようにはいかないと実感されている方も多いかと思います。

頑張っただけの成果が出にくくなってきています。

運動・トレーニングは、基礎代謝を上げるなど効果もあるのですが、同時に活性酸素も多量に発生し、細胞を酸化させてしまいます。

これが蓄積することで老化につながります。

細胞内ではミトコンドリアがエネルギー生産をおこなっていますが、このミトコンドリアもまた酸化によるダメージが蓄積することでエネルギー生成量が減っていきます。

本来であれば筋トレによって傷ついた筋繊維が修復されて太くなるところですが、加齢とともにエネルギー生成量が減り、修復が追いつかなくなっていきます。

そのためにも活性酸素による酸化に対処することが大切です。

抗酸化作用のある食物を積極的にとりましょう。

ワインやりんご(皮)に含まれるポリフェノールや緑茶に含まれるカテキン、トマトのリコピンなどです。

食事法については、改めて別の記事で詳細を紹介したいと思います。

まとめ

以上、40代からの筋トレにあたって全体概要をご紹介しました。

特に、お伝えしたい要点として改めて以下にまとめました。ご参考にしていただければと思います。

目的意識

 なんのために、誰のためにやるのか、明確にしておきましょう。

小さなことを大切にする

 何事も継続することが大切ですが、そのためにも今自分ができることを確実に実行していきましょう。いきなり大きなことをやろうとせず、小さく始めて、小さくステップアップしていくことが大切です。

常に選択の連続

 理想のボディを手に入れるまでには、さまざまな誘惑や障害があるかもしれません。

 そのたびに選択を迫られます。目の前の甘いものを食べるか食べないか等々。

 無意識に過去の延長線上で選択するのではなく、常に意識して選択するようチャレンジしていきましょう。

いつでもトレーニング

 フィットネスジムでのトレーニングだけがボディメイキングというわけではなく、通勤でのウォーキング、階段での昇り降り、部屋の掃除など日常の至るところにトレーニングの要素があります。意識して行動するだけで1日の消費カロリーを増やすことができ、余分な脂肪を減らし、筋力の向上にもつながります。

 

ぜひ理想のボディを手に入れてください。

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