40代ボディメイクQ&A

40代 ボディメイク/ボディメイキング Q&A

よくある質問についてQ&A集としてまとめました。

【食事編】

1) ボディメイク/ボディメイキングに取り組みたいのですが、タンパク質はどれくらいとればいいですか?

体の構成成分の60%はタンパク質なしに作ることはできないと言われていますので、食事からタンパク質を摂ることは大切です。

タンパク質の摂取量は、以下を目安にしてください。

一般的な、一日あたりのタンパク質平均必要量
・成人男性 50g
・成人女性 40g

同 推奨量
・成人男性 60g
・成人女性 50g

※妊娠中の方、成長期の子どもなどでは必要な摂取量が異なります。
(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」)

さらに、
筋トレをおこない、筋肥大を目指す場合
どの程度、筋肥大させたいかによって、摂取するタンパク質の目安量が異なります。

あくまでも、おおよその目安として、
1日あたり、体重1kgあたりのタンパク質摂取量

  • 細マッチョ  1.5g~2.5g
  • フィジーク  2.5g~3.5g
  • ボディビルダー 3.5g~
    (※それぞれの体型は、相対的なものであって、明確な定義はありません。)

例えば、現在、体重60kgの人であれば、1日にとるタンパク質の目標量として

  • 細マッチョを目指す場合 60×1.5g= 90g以上
  • フィジークを目指す場合 60×2.5g= 150g以上
  • ボディビルダーを目指す場合 60×3.5g= 210g以上

なお、残念ながら、タンパク質は摂り貯めができません。

摂取したタンパク質は、腸でアミノ酸にまで分解され、器官や臓器、筋肉など必要なところに運ばれて使われます。

余った分は中性脂肪として蓄えられてしまいます。
この脂肪分は、必要時にタンパク質に変換されることはありません。

一定期間内に、必要なタンパク質が体に入ってこなければ、例えば、筋肉などを壊して他の優先順位の高いところにタンパク質(アミノ酸)が送られます。

そのため、毎日、必要な目安量のタンパク質をとることが大切です。

ただし、1回の食事で多量のタンパク質を摂っても吸収しきれず、余ってしまうので、1回あたりの摂取量は、30g程度までを目安としましょう。

【タンパク質含有量の目安】

また、タンパク質を摂ると便秘になるという人もいるかもしれません。

その場合、まずは、腸内環境を整えるためにヨーグルトなどの発酵食品(乳酸菌)やごぼうなどの食物繊維を摂るようにしましょう。

食物繊維については、2種類あります。
どちらも試してみて、あなたの腸に合うものを見つけましょう。

水溶性食物繊維

水に溶けるタイプの食物繊維。
腸内細菌のエサとなります。善玉菌を増やす効果があり、腸の中で柔らかい便を作る働きがあります。

便が固くなる傾向のある人は「水溶性」の食物繊維をとるとよいでしょう。

おススメ食材としては、
・寒天や海藻類(アルギン酸)
・キャベツ、トマトなどの野菜類(ペクチン)
・りんご、みかんなどの果物

不溶性食物繊維

水に溶けないタイプの食物繊維。
腸内で水分を吸収してふくらみ、便のカサを増やす効果があります。

腸のぜん動運動を活発化させ、便通を促進します。

おススメ食材としては
・大豆やイモ類、ごぼうなどの根菜類
・きのこ類
・穀物 など

(参考: 日本食品標準成分表 )

 

それでもなお、解消されない場合。

そもそもタンパク質の消化・吸収能力には個人差があります。

今まで、タンパク質の摂取量が少ない食生活を長期間続けてきた人は、分解する消化酵素の量が少なくなり、消化吸収能力が低下している可能性があります。

解決するためには、摂取するタンパク質の量や頻度を少しずつ増やして、腸に慣れさせていくしかありません。

まずは、1日の平均必要量50gから開始して、例えば、3ヶ月程度続けて、少しずつ摂取する量を増やしていきましょう。

ちなみに、腎臓疾患や結石の傾向がある人は、タンパク質の過剰摂取にご注意ください。

①肝臓、腎臓への負担

食事から摂ったタンパク質のうち余ったものは、最終的にはアミノ基(窒素成分)とそれ以外(炭素骨格部分)となります。

アミノ基はアンモニアとなります。アンモニアは体にとって有害な物質であるため、肝臓で無害な尿素に変換されたのちに腎臓で尿として排出されます。

タンパク質を過剰に摂取してしまうと、その分多くの窒素を尿に変換しなければならなくなります。

そのため肝臓や腎臓にかかる負担が普段よりも大きくなります。

②尿路結石

結石は、中年以降の男性でよく見られます。

尿路結石の原因の1つとして、動物性タンパク質の摂り過ぎが挙げられます。

例えば、
肉などの動物性タンパク質は、摂取すると体の中でシュウ酸などが増加します。
シュウ酸にはカルシウムと結合しやすい性質があり、腸の中でカルシウムと結びつくことで通常は、便として体外へ排泄されます。
このとき、腸で吸収しきれないシュウ酸は尿として排泄されます。
シュウ酸が尿中のカルシウムと結合すると、石のような塊となることで尿管を詰まる原因となります。

 

2) ダイエットをしようと思っていますが、糖質制限をした方がいいでしょうか?どの程度、制限すればいいでしょうか?

糖質制限をした方がいいのかどうか、どれだけ制限すればいいのかは、「人によってそれぞれ異なる」ということです。

 

これだけの回答であれば身もふたもないので、少し補足します。

まずは、あなた自身の現状を把握します。

① 適正体重を知る

BMI指数は、ボディマス指数と呼ばれ、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
以下の計算式から算出します。

BMI=(体重)/(身長x身長)

こちらの計算ツールが便利です。
<計算ツール keisan>

日本肥満学会による目安

BMI        肥満度判定
18.5未満         低体重(やせ)
18.5~25未満    普通体重
25~30未満     肥満(1度)
30~35未満     肥満(2度)
35~40未満     肥満(3度)
40以上        肥満(4度)

② 体脂肪率測定

体組成計などで体脂肪率を測定します。

年齢・性別によって判定が異なりますので、以下の表を参考にしてください。


(出典: (株)タニタ)

【参考】
BMIと体脂肪率とのおおよその関係( (株)インボディ・ジャパン)

③ メタボチェック

いわゆる「メタボ」とは、「メタボリックシンドローム」の略で、「内臓脂肪症候群」とも呼ばれます。

複数の病気や異常が重なっている状態を表します。

具体的には、腸のまわり、または腹腔内にたまる「内臓脂肪の蓄積」によって、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病の重なりが起こっていることを示しています。

日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm女性90cmを超え、高血圧・高血糖・脂質代謝異常の3つのうち2つに当てはまるものとされています。

こちらからチェックしてみましょう。

厚生労働省 「メタボリックシンドロームの診断基準」

続いて、
あなたが日常で食べているもの、飲んでいるものを記録しましょう。

まずは1週間、記録してみましょう。

それらについて、カロリーと糖質量を計算しましょう。
(商品パッケージの裏に記載されている場合はそれを参照しましょう。)

こちらのツールが便利です。

カロリー・栄養素計算ツール Slism

※炭水化物以外にも、ニンジンやごぼうの根菜類、りんごなどの果物や清涼飲料水の飲み物にも多くの糖質が入っていることが理解できると思います。

その後、1日あたりの平均について
・摂取カロリー
・摂取した糖質量
を計算します。

今の食習慣があなたの体型をつくっています。

今の体型に不満があるようでしたら、食事を見直すことが必要と思われます。

肥満傾向、あるいは、あなたが望む体型から体重超過しているようであれば、肥満によるリスクを考えると糖質制限は有効と考えます。

適性体重以下であれば、糖質量に神経質になることはないでしょう。

ただし、日本人はインスリン分泌能力が弱く、食事の際にインスリン分泌されるのが遅いのが特徴です。

さらに、40代以降、インスリンを出す力は加齢とともに衰えていきます。

その点を考えると、血糖の急上昇(グルコーススパイク)への対策が大切です。

  • 食事は20分以上かけてゆっくり食べる。
  • 口に入れたらよく噛んで、すべて飲み込んだら次を入れる。
  • 野菜など食物繊維を先に食べる、又は一緒に食べる。
  • 低GI値(血糖値の上昇速度が比較的ゆるやか)の食品を選ぶ。

では、糖質量を制限する場合、いくらを目安にすればよいか?

糖質制限にはいくつか段階があります。

極度糖質制限   20〜50g/日 又は2000kcal/日の10%以下
高度糖質制限   50〜130g/日 又は総カロリーの10%〜25%
中等度糖質制限  総カロリーの26〜45%
軽度糖質制限   総カロリーの46〜60%

糖質制限の先駆者で権威と言われるリチャード・バーンスタイン博士は、「130g/日以下」の立場をとっています。

いきなり、糖質量を130g/日に下げるような急激な変化は、挫折してしまう原因になるので、数か月くらいかけて少しずつ減らしていくようにしましょう。

 

【参考 糖質メモ】
糖質の主な働きは、私たちが活動するためのエネルギー源となることです。

三大栄養素である「炭水化物」・「タンパク質」・「脂質」は全てエネルギー源となりますが、この中から先に使われるのが糖質です。

糖質は体内で消化・分解され、最終的には単糖類の状態となって、小腸で吸収されます。

吸収された単糖類は肝臓に運ばれ、一部はグリコーゲンとして蓄えられ、肝臓を通過したものはブドウ糖となり血液中に移行します。

そして、血液中のブドウ糖は、臓器、筋肉や脳などのエネルギー源となります。
ブトウ糖は、筋肉内にもグリコーゲンとして蓄えられます。

余ったブドウ糖は中性脂肪に変換されて貯蔵されます。

人類は、原始時代のような安定的に食糧が確保できない時代を長く経験してきました。
そのため、人体の防衛反応として、飢餓状態に陥ったときなどに備え、肝臓や脂肪細胞に蓄えられるシステムになっています。

しかしながら、現代の日本においては、幸いにして、いざという危機的なことがなく、せっせと余分なエネルギーをため込むだけという状況が続いています。

このような環境においては、もともとの脂肪蓄積の容量を超えてため込むことになり、腹の内臓脂肪などの「メタボリック症候群」というものにつながるのです。

これが、健康に対するさまざまな問題を引き起こしています。
そのため、適性体重を大きく超えるような肥満については、糖質制限が有効と考えられています。

参考記事:糖質制限で老化って本当?ボディメイクへの影響はどうなの? 

 

3) グルテンフリーでダイエットできる(やせる)って本当ですか?

まずは、グルテンフリーについてのおさらいです。

小麦粉にはグリアジンとグルテニンという2種類のタンパク質が含まれていますが、これらに水を加えてこねることによって粘りや弾力性のあるグルテンになります。

小麦(小麦粉)によるアレルギーなどの影響として、セリアック病やリーキガット症候群などが有名です。

「セリアック病」はグルテンをとることで小腸の免疫システムが過剰反応して炎症を起こし、自らの腸壁を破壊して消化・吸収不良を起こす病気で、遺伝的な要因が大きいとされています。

また、一方で、小麦に含まれるグリアジンは、小腸の壁(リーキガット)の結合組織を壊す作用があり、壊されたところの結合組織からアレルゲン(アレルギーを起こす元になるもの)が侵入します。

あるいは、

小腸内に存在するカンジタ菌がグルテンをエサにして増殖し、毒素を排出することで小腸の壁(細胞)が傷つき、アレルゲンが侵入することもあります。

これによって発症したものが「リーキガット症候群」と呼ばれています。

ほかには、「グルテン過敏症」、「グルテン不耐症」などがあります。

グルテン過敏症はグルテンに対するアレルギー反応。

グルテン不耐症は、グルテンの消化酵素が不足、あるいは、十分に機能していない状態のことです。

グルテン過敏症や不耐症の人がグルテンをとると、小腸の粘膜が炎症を起こしたり、あるいは、消化機能の異常によって必要とする栄養素が十分に吸収されにくくなると言われています。

腸は消化・吸収だけでなく、排せつ、免疫機能など多くの働きがあるので、そうした異常を起こすと、様々な症状が現れることになります。

グルテンに対する過敏症・不耐症をもつ人の症状としては、腹部の膨満感や便秘、下痢、腹痛などの胃腸障害のほか、栄養失調(栄養を摂っているのに体調が悪い等)、貧血などが挙げられます。

また、腸で炎症がおこると、各種ホルモンをつくる副腎にも影響が出てきます。

副腎は炎症を抑えるためにコルチゾールというホルモンを分泌しますが、その多量の分泌によって副腎が疲弊してしまいます。

そうなると、副腎のホルモン分泌がうまくいかなくなり、慢性的な疲労や抑うつ症状、片頭痛などの不調が現れます。

そこで、こうした過敏症をもつ人は、グルテンを摂取しないこと(グルテンフリー)で体調を改善しようというわけです。

本来のグルテンフリーの目的は、以上のとおりです。

 

冒頭の質問のように、やせるという目的でのダイエットについて、グルテンフリーが直接的に効果あるのか?
については、残念ながら、それを裏付ける十分な科学的根拠は、見当たりません。

問題なのは、腸に炎症などがおこることで、せっかく摂取した栄養素が体内にとりこまれないことです。

身体の材料や機能に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素が十分に摂取できない、ということです。

そこで、
現在、慢性的な体調不良や異変を感じている人は、グルテン過敏を疑ってみるとよいかもしれません。

例えば、ボディメイキングの観点からは、筋トレをしてタンパク質を十分に摂っているにも関わらず、筋肥大しない人。摂取したタンパク質が腸から十分に吸収されていない可能性も考えられます。

グルテン過敏かどうかについては、後ほど、調べ方を紹介します。

もしグルテン過敏と思われるときは、グルテンフリーに取り組むことで体調が改善されるかもしれません。

一方で、グルテンフリーに取り組むことで、小麦を摂らないことになり、栄養不足になるとの指摘もありますが、あなたはどう思われますか?

もともと日本人の食生活には、小麦はほとんどなかったのです。

米、魚、海藻類、発酵食品(みそ)、野菜。
不足していたとすれば、肉類、乳製品のタンパク質。

小麦に含まれる栄養素については、他の食品で代替できます。

 

とは言え、やはり小麦製品は、とにかくおいしい!

ついつい食べ過ぎてしまうのため、注意が必要です。

グルテン過敏かどうか、はっきりしないのであれば、小麦製品を取捨選択して最小限にとどめておくことが、余計なリスクを回避することにつながるのではないでしょうか。

※炭水化物など糖質を含むものについて、もともと私たち人間は、おいしく感じるようになっています。
さらに、小麦に含まれるグリアジンは、消化器官の中で『Exorphins』と呼ばれるポリペプチドに変化し、それが血液脳関門をすり抜け、オピオイド受容体(モルヒネ受容体=そこにモルヒネがくっつくと体に変化が現れる鍵穴のようなもの)にくっつくことで、食欲を刺激するため、更に食べたくなる、お腹がすいたと錯覚させる効果があると言われています。そのため、ついつい食べ過ぎてしまうのです。

■グルテン過敏かどうか調べる方法

あなたが、グルテンに対して過敏かどうか、簡単に調べられる方法があるので、ご紹介します。

これは、グルテンフリーに関する食事法について書かれた書籍「ジョコビッチの生まれ変わる食事」(ノバク ジョコビッチ著)に記載があるものです。
①まず、左手をお腹に当て、右手は真横にまっすぐ伸ばす。
②誰かに右手を下方向へ押してもらい、自分は右手を下へ押されないよう抵抗する。
 このときの右手の反応が、通常の状態のときの身体の反応である。
③次に、左手にパンを持ち、お腹の前に当てる。
 右手は2と同じく、真横にまっすぐ伸ばす。
④再び、右手を上から下方向へ強く押してもらう。
 このとき、パンを持っていないときより抵抗する力が弱い場合、
 身体がパンに含まれる小麦を拒絶している証拠といえる。

いわゆるOリングテストに似たものとも言えます。

厳密に検査しようとすると、ELISAテスト血液検査(Enzyme-linked immunosorbent assey)などがあります。

さらに、
是非試していただきたいのがグルテンフリー2週間チャレンジです。

以下の要領で実践してみていただきたいと思います。

① 2週間、小麦や小麦を材料にした食品を食べないようにします。

 日常現われている症状や感じている不調、便の状態などをチェックし、気づいたことをノートなどに記録します。
 最初の3~4日は禁断症状のようなものが出てイライラしたり、身体の倦怠感などの反応が出る可能性もあります。

② 2週間完全に小麦を避けた後、今度は毎日、小麦製品(パンなど)を食べてみる。

 そこで、2週間の間には起こらなかった症状や精神的な変化がないかを観察します。

過敏症・不耐症であった場合現れうる症状として、
腹部膨満感、ガス、慢性的な下痢、便の悪臭、
慢性的な疲労感、気分の落ち込み、情緒不安、
集中力・記憶力の低下、不眠、貧血、血糖の上下動(特に低血糖)、
急激な体重増減、関節痛、傷が治りにくい、
乾燥肌、じんましんなどが挙げられます。

【参考 グルテンを含む食べ物】

グルテンを含む食品について一例を挙げると
・小麦粉(グルテン含有量が多い順に、強力粉、中力粉、薄力粉)
・大麦、押し麦、丸麦、ライ麦、そら豆 など
・パン
・ピザ
・シリアル
・お好み焼き、たこ焼き
・餃子
・ハンバーグ(つなぎの部分)
・カレー、シチュー
・パスタ、うどん、ラーメンなどの麺類
・揚げ物の衣
・ケーキやドーナツ
・クッキーやクラッカーなどのスナック
・ビールなど麦芽から醸造されたアルコール飲料
・醤油や味噌などの調味料
・加工チーズ
などです。

グルテンフリーを実践するにあたっては、食品を購入する際に成分表示を確認し、小麦(小麦粉)を避け、以下の代替品に切り替えるといった対策をおこなうとよいでしょう。
・大豆粉
・米粉
・トウモロコシ粉
など。

 

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